牧場を訪れると木造牛舎に足が挟まり身動きが取れず倒れた牛が居た。
その状況は死んでるのでは?と思ってしまうほど酷い状況だった。
身動きをとる事が出来ず涙を流していた。
目を背けたくなるほど痛々しい。
他の牛が気遣うように近寄ってきた。
金属棒を挿し込み足の挟まった所を押し広げていく。
挟まった足を抜く事ができた。
ボランティアの方と共に重機のバケットに乗せ治療場に運ぶ。
他の牛も心配そうに近寄ってきた。
水を与えると息つく事無く飲んでいた。
治療を施す事務局長。
治療が一段落した後牧場の各所で死んでしまった牛の亡骸を一箇所に集めた。
助けようとするも助けれなかった命が多く存在するのも確かだ。
この牛は二代目「フク」と名付けられた。
丁度一年前、交通事故にあった一代目フクを保護した日らしい。
一代目フクに関しては希望の牧場ブログを見ていただきたい。
発見した状況がかなり悪く、「生かしておくのは苦しませるだけだ。安楽死させてやるべきだ。」という声もあったようが事務局長は懸命に生きようとするフクの姿を見て、意地でも死なせたく無いと牧場サポーターにどうすれば助かるか広く知恵を求めた。
骨折した足に対してカルシウム剤はどの位必要か?
足が腐って切断しなければならない、だが切断手術に耐えるほどの体力が無い。どうすべきか?
手術が成功し、硬直した足をどうリハビリすれば立てるようになるか?
多くの問題をサポーターと共に解決しフクは元気を取り戻した。
発見から約2ヵ月後の2013年4月18日撮影。
ずっと左側が地面に当たっていたせいで耳の形が変形し床ずれが出来ていたが同じ牛と思えないほど元気になっていた。
そしてとうとう立って歩く事ができるようになった。
この光景を見た時、フクの生きようとする強い生命力と生かしたいと願う人の気持ちが起こした奇跡に見えた。