福島第一原子力発電所付近に設けられた野良牛を一時的に保護する行政柵二ヶ所に入った合計15頭の野良牛を希望の牧場が救出した。
行政柵に捕獲された野良牛は引き取り手が無い場合殺処分されてしまう。
希望の牧場・吉沢牧場長は被曝牛の殺処分反対と終生飼育を訴え、殺処分を阻止すべく牛15頭の受け入れを行った。
午前11時、希望の牧場内でレスキューの内容説明。
合流しながらレスキューに向かう車列は8台になった。
警戒区域に入るバリケード
途中福一の正門前を通る。
正門付近でも貯水タンクが見える。
行政柵一箇所目は原発から500メートル、線量計は空間線量で15~20μSv/h、雨樋の下は最大62.43μSv/hを指した。
分かり難いが62.43μSv/hを指している。
作業着の女性が飼い主の鵜沼さん、防護服の方が家畜保健衛生所の職員。
鵜沼さんは現在埼玉に避難中で以前は双葉町で50頭の牛飼い農家をしていた。
一箇所目の柵にいる12頭全部に新しい耳票をつけトラックに乗せていく、小さな牛でもかなり力が強く大人8人がかりでトラックに載せて行く。
オス牛は暴れないように柵に固定し麻酔を打ち去勢してからトラックに乗せる。
行政柵二ヶ所目は雌2頭と雄1頭で雄は推定600キロ
かなりの暴れ牛らしく、人が大勢来ると興奮して収集つかなくなる可能性があるとの事でメディア陣は遠くで待機。
一瞬だが麻酔銃が見えた。
先に雌牛の耳票をつけトラックに乗せていく。
牛も必死だが人間も必死。
古い耳票には「たかこ」と名前が書かれていた。
家畜であろうと農家からすれば一家族、愛情を沢山注いで貰っていた事がわかる。
お尻から白い糸が出ていた。鵜沼さん曰く妊娠していていつ生まれてもおかしくない状態らしい。
問題の雄牛、かなり暴れていたが麻酔が効いたところで牛舎の中に入れられる。
足を縛るが人間の手の倍ほどある。
去勢作業。
続いて除角作業。
焼鏝で止血。
麻酔が切れ暴れる前にトラックへ運び込む。
最後はクレーンで吊り上げられ荷台に運び込まれた。
最後の別れを惜しみ鵜沼さんも撮影していた。
鵜沼さんが持っていた線量計の積算被曝量は36μSv/hを示していた。
30μSv/hまで被曝した事はあったが36μSv/hは初めてと語った。
出来ることなら又牛飼い農家がしたいと語った鵜沼さんは名残惜しそうに牛を見ながら現場から立ち去った。